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ファイルのどれかに何か問題があったのは、火を見るよりも明らかだ。
私はゼロさんの隣りに少し離れて座り、説明してもらえるのを待つ。
重く長い沈黙の後、やっと吐き出された冷たい言葉が、私の心臓を凍りつかせた。
「ダメだ……。
花純、その腹の子は、産むな」
「────え?」
なぜ今さらそんな事を言うのだろう。
さりげなく慈しんで、密かに楽しみにしてくれていた我が子を「産むな」だなんて、わけが分からない。
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