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あの時同様、灰色のアイコンのままの碧さんと、画面の端に、目を丸くした私の姿がある。
『もしもし?
花純、どうしたの? 驚いた顔して。
何かあった?』
声はいつもと同じ、耳がじんと痺れるようなテノールだ。
「ううん、何でもない……。
ねぇ、碧さん。
碧さんの映像も見せて?」
『僕はいいよ。
付き合いでお偉い教授方に散々お酒呑まされて、顔が真っ赤だから。
それよりも花純、ちゃんとお留守番できてる?』
「子供じゃないんだから、大丈夫ですっ!」
『ふふ、偉いね、花純。
じゃあご褒美に……可愛がってあげる』
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