Phantom of my sweet

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まったくこの人は、一体どこまで私を煽るつもりなのだろう。 些細な意地悪すらも、愛おしくてたまらない。 『さぁ、僕は明日も早いから、そろそろ切るよ』 まだたった3分ほどしかお喋りしていないのに、さっさと通話を切り上げてしまおうとする碧さん。 それすら駆け引きの一環だとしたら、手強すぎる。 私ばかりがホイホイ踊らされるのも癪に障る。 たまには思いきりごねて、クールな碧さんを困らせてやろう。 「えぇ~、もっと碧さんの声が聞きたいのに」 『寂しがり屋さんだね、花純は。 ほら、カーテンを開けて、空を見てごらん?』 「空?」
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