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窓辺に立ち、言われた通り見上げると、真ん丸い月が瞬く星々と共に、仲良く夜空に浮かんでいた。
『僕の代わりに、月が花純を見守ってるよ。
だから寂しくなったら、窓辺に立って空を見上げて。
月は、僕の目なんだよ』
リアリストの碧さんにしては、珍しくロマンチックな発言。
たまにはこういう夫も、悪くない。
その晩から、私が何度も月を見上げるようになったのは、言うまでもない。
初めてのお留守番は、初日も2日目も、すこぶる順調だった。
月が欠けていくように、小さな綻びが生じ始めたのは、学会3日目の夜の事。
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