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乱暴に保安灯を点けながら玄関ホールを抜けていけば、正面に大きな螺旋が現れる。
磨りガラスの中央階段だ。
天井からは、幾重にも連なるスワロフスキーの螺旋もある。
誰の気配もない、だだっ広い空間の中では、二つの螺旋がどうにも不気味に感じられてしまう。
見えない何かから逃げるよう、急いで自室へ駆け込んだ私は、すぐに内鍵を掛けた。
お屋敷が広いとはいえ、普段は何となく誰かの気配がしたり、物音が聞こえてきたりする。
私以外の家人が留守というだけで、こんなにも雰囲気が変わるだなんて、思ってもみなかった。
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