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その証拠に、熱を擦りつけるだけで、なかなか先へ進もうとはしない。
鉱物のように硬いそれを持て余す自分だって、繋がりたくて仕方がないくせに、こちらが乞うのを待っている。
屈するものかと思う反面、前後するごとにピチャピチャと水音が奏でられ、果てしなく情欲を煽られる。
「ほら、早く言わなきゃ、やめるぞ」
「……ご自由に」
強がる私の様子に、一瞬だけ黒い瞳が丸くなり、すぐに楽しげに細められた。
ぐっと入り口が押し開かれ、僅かに熱源が侵入してきたものの、そのままじっと動かない。
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