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一応この心情も、心配というカテゴリーに入るのだろう。
地に足が着いていないような、奇妙な不安が胸の中で暴れる。
慌てて図書館の中へ引き返した私は、動揺しつつも読みかけの本を片付け、コートを掴んで踵を返した。
研究室にあるというお届け物は、入院に必要な私物なのだろうか。
指示された物の他にも、何か持っていった方がいいだろうか。
あれこれ考えているうちに、碧さんの誕生日のナンバープレートを掲げたアルファードが、駐車場へと滑り込んできた。
後部座席に乗り込んだ私へ、バックミラー越しに会釈をしてから、ウノさんが車を発進させる。
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