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けれどこれさえ終われば、私はお役御免。
ここに集まった親戚の方々とは、二度と顔を合わせる事もないだろう。
「花純、大丈夫?
さっきからずっと動きっぱなしじゃない」
末席にやっと座れた私を気遣い、母がこっそり声を掛けてきた。
その隣りの父も、心配そうな顔をしている。
ほとんど面識のない、住む世界も価値観も違う親戚たちの中で、両親だけが唯一の止まり木だ。
二人揃って、新幹線に乗ってわざわざ来てくれたのは、義母の葬儀以来会っていない娘を心配しての事だろう。
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