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「わざわざ来てもらったのに、ゆっくり話せなくてごめんね、お父さんお母さん」
「いいのよ。
碧さんに普段良くしてもらってるんだろうから、こんな時くらい、しっかり嫁としてのお務め果たしなさい。
夜、親子水入らずでゆっくり話しましょ」
ひと時の休憩で充電を済ませた私は、再び嫁としてのお務めに戻った。
けれど心をその場に置き忘れてしまったようで、どうも接待に集中できない。
(お父さんもお母さんも、私が離婚するって言い出したら、何て言うかな?)
電話で伝える内容ではないし、わざわざ里帰りして相談するのも億劫だと、後手に回しているうちに、今日を迎えてしまった。
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