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仕事が終わり駐車場に向かう。
あたしの、すぐ前を北川君が歩いてる。
けど、あたしは声をかけれない。
華奢な後ろ姿が。なんだか可愛い。
黒のTシャツに、ジーパン。
茶色に染めた髪。柔らかそう。
触れてみたい。
届きそうで遠い距離。
手を伸ばせば、届きそうなのに。
あたしは、グッと右手を握りしめる。
車に乗り込む彼。
「お疲れ様。」
通りすぎる彼の車に、小さくそう言ってみる。
視線なんて、恥ずかしくて合わせられない。
勇気ないあたし。
悔しくて。
あたしの、横を通りすぎた彼の後ろ姿を黙って見つめた。
明日が早くくれば、いいのに…。
彼に会えない時間は、長くて。
せつなくなる。
こんな気持ちが恋なのかな…。
なんて、思いながらあたしは車に乗り込むと家路についた。
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