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そうと決まれば、この意地の悪い魔王の行動は早かった。高校生という肩身の狭いこの身で出来る事は何だろうかと考え、末に図書室へと向かった。
旧訳聖書新訳聖書その他普段は手を付けない様な宗教本から神話まで、和泉は本を抱えた。それを全て机に置くと、木の机はみしりと音を立てた。
さあ神よ、いざ勝負である。
「無い」
惨敗である。
窓は既にオレンジ色の陽射しが反射している。まばらに居た他の生徒は皆帰った様で、閑古鳥の鳴く図書室の隅で和泉は脱力した様に突っ伏した。
分厚い旧訳聖書を読み終えた時点で既にへとへとであったが、それでも次へ次へと本を開いた自分を褒めてほしいくらいだ。
それでも、和泉の求める要素は一つも無かった。全くの徒労だ。
すっかり凝った肩を揉みほぐしながら、和泉は図書室を後にした。
道筋のある数学や、確かに存在する社会と違い、オカルト紛いなこの問題は直球が通用しない。
( オカルト……? )
そうだ。オカルトといえば、ぴったりの人材が居たじゃないか!
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