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物足りなさが身体を支配する。
我慢できない疼きが行動を促す。
「大丈夫?」
映画館を出て、亨さんはそう言いながら私の顔を覗き込んだ。
「・・・大丈夫じゃない」
「え?」
亨さんは少し動揺したような表情を。
「もう、無理」
私は亨さんの手を取り、足早にあの場所を目指した。
「ちょ、ちょっと和花」
亨さんの制止を求める声に、反応せずにただ足を進めた。
「早く開けて!」
亨さんの車の前。
「どうしたんだ?」
「いいから開けて」
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