第1章

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樹と大地のあぶり出しに成功してすぐ。 再び車を走らせる。 長時間の運転で体は疲れているはずなのに、頭がやけに忙しくてオーバーヒート気味に冴えていた。 途中、携帯を確認するためにコンビニに立ち寄った。 エンジンを切り、小さな丸いライトが点滅するか凝視するけれど。 相変わらず、知らん振りを決め込む携帯。 「お前の飼い主、頑固だな」 携帯の先でゆらゆら遊ぶ、青紫のネコを指先で弾いた。 ───いや、頑なにさせてんのは、俺か。 大きく息を吐き出して、コンビニの中に入る。 ガラス窓に沿って並べられた様々な雑誌が視界に飛び込んできた。 よく生徒が持ってきている雑誌もあった。 いつもなら、素通りするそのコーナーで思わず足を止めてしまったのは。 『イマドキJK☆恋愛リアル』 なんて見出しのせいだろう。 思わず手に取り、パラパラと眺める。 夏が近いせいか、露出の高いファッションで微笑むモデルたち。 特に気にもとめず手を進めると。 その特集コーナーにたどり着いた。 『現役JK1000人に聞いた! これが私たちの恋愛リアル!!』 アンケートに答える形で、その結果が円グラフ化されている。 なになに………… 『初☆Hはいつですか?』 『それは付き合ってどれくらいで?』 『どれくらいの頻度でしてる?』 …………………をーいをーいをーいっ!!! なんじゃこりゃー!!!!! 雑誌を持つ手がふるふると小刻みに揺れる。
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