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ふ、と笑みを逃して
「バレましたか?」
と、問うてみれば。
「バレバレですっ!!」
上機嫌な笑顔が返された。
「じゃ、遠慮なくいただきましょうかネェ」
俺の言葉にぱあっと、一段と大きな花が咲いた。
「お詫びに」
青信号に切り替わったのを確認して、アクセルを緩やかに踏む。
「夏休み、ストラップ買いに行きますカ?
俺の地元である夏祭りセットで」
「!!!!!!」
隣で大きく身を打つカオルに頬が緩む。
視線はあくまで前を見据えながら、左手でカオルの手を探る。
予想通りの位置にあったそれを、掬い上げた。
「ホタル、終わってたからその埋め合わせも兼ねて。
ドーデスカ」
「………」
きゅう、と握り返される温かな手のひらから答えは伝わってくるけれど。
「行くの、行かないの」
「い、行くっ!!!」
頬を上気させたカオルが視界の端に入り、込み上げるいとおしさが隠しきれず吹き出してしまった。
「じゃ、まずは目の前のテスト、やっつけましょうかネー」
「はいっ!!」
両足をジタバタ忙しなく動かして喜びを表現するカオルに、胸の芯から湧き出たオレンジ色が全身を包んでいく気がする。
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