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「……李煌さんは、俺の事好きなんだよな?」
「うん。好き」
「っ……どこが好き?」
「……声とか筋肉…って、さっきも言ったよね?」
(うん言ったね。筋肉じゃなくて〝体つき〟だったけど)
「でも一番は、俺の事を想ってくれるところかな」
照れ笑いを浮かべながら、そう紡いだ李煌さんに、
俺はもう自制できなくなった――
細い腕を掴み、
思った以上に華奢な腰を抱き寄せる。
「!?…た、大河くんっ?」
「李煌さん、俺と付き合ってくれないっ?」
「それはまだダメ!」
(………あ……そう。っつかまたやっちまった…。でもここまで話してくれてもまだダメって、頑固というか真面目というか…)
何故か笑いが込み上げてきた。
「……アハハ」
「え?何??」
耳元で笑う俺に、李煌さんが焦ったように身を引いた。
「いや、ごめん。いいよ、いくらでも…――」
待つ、と口から出る寸前で言葉を飲み込んだ。
「――ねえ。李煌さん」
「な、なに?」
「冬にさ、部活で合同記録会ってのがあるんだけど、来てくれない?」
「記録会?水泳の?え、大河くん泳ぐの??」
目を白黒させている李煌さんが可笑しくてまた笑いが込み上げて来る。
「そりゃ泳ぐよ。――その後、返事聞かせて」
俺の申し出に、李煌さんはまた真っ赤になりながらも…
――頷いてくれた。
【家族③】おわり。
2014.8.10
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