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何も喋り出さないルキに少女は少し不安そうな顔をしてルキの顔を覗き込んだ。
「もしかして、本当に忘れちゃったの? 全部…」
少女は立ち上がって奥の部屋に駆け出していった。
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少女がいない間、ルキは考えていた。
『あの子のどのな人だろう?』
『名前はなんて言うのかな?』
聞きたいことは沢山あった。
生まれつきの重い持病を持つルキの世界は狭いものだった。
友達がいなく、友達に憧れる。
辞書を引いて『友達』と何度も調べた。
“友達とは互いに心を許し合って、対等に交わっている人。一緒に遊んだりしゃべったりする親しい人。”
その言葉にルキはさらに『友達』と言う存在に憧れた。
しかし、ルキの前に『友達』が現れることは無かった。
「待っていてもしょうがない。」
それが答えだった。
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