一章

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細い雨が規則正しく枝葉に弾ける。 路面は銀色に濡れ、湿り気を帯びた風が如月桃磨の肌を擦りつける。 バス停でバスを待つ桃磨の携帯が激しく鳴った。 桃魔は傘の柄を首で挟み、胸元のポケットに入れていた携帯を取り出す。 愛用の黒いスマホは海に落として紛失した。 現在手にしているピンク色の携帯は、その後釜ということになる。
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