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交通量の多い時刻だ。もうじき暗くなる。桃磨の前を車のヘッドライトが通りすぎていく。軽快な流れだ。川の流れに似ている。
桃磨が着ているワイシャツもズボンも湿り気を帯びていた。通学鞄も雨に濡れている。
バスを待ち続けて十分は経っている。
都心のくせにバスの本数が少ないことが面倒だった。
晴れていれば歩く。雨ならバスを待つ。自転車も考えたが、学校は少し遠い。天候のことを考えると草食系の桃磨にはきつい。
それだからこそのバスと地下鉄を使った通学だった。
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