一章

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桃磨が知りうる限り、二人だ。 一人は既に投獄され服役している。 もう一人はしっぽを出すこともなく逃げおおせている。 無冠の流星は、桃磨が愛好する推理サイトに住んでいる人物で、当然ながら面識はない。 それにも関わらず、無冠の流星は、桃磨に執拗に絡み付く。納豆よりオクラよりねばねばした嫉妬を感じて桃磨としてはあまり関わりたくない部類の人種であった。 これは好き嫌いの問題ではなく、生理的なものだと桃磨は自覚している。しかし、相手が勝手に攻めてくるのだから気を付けることができない。 厄介なことに無冠の流星は桃磨を知っていても桃磨は無冠の流星を知らない。そんなやり取りを数年で二回やっている。 いずれも犯人は捕まえたが無冠の流星を捕まえることができなかった。
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