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「あんた誰?」
声をかけてきたので、一瞬ビクッとしたが、その瞳は綺麗なままだった。
「あの…今日から入った…」
「あー、あんたのことね、何にも知らないお坊ちゃんは」
既に皆に噂になっているのかな?
何で僕を知ってるのか気になった。
「同室に悪魔っているでしょ?」
「あ、はい…」
「今どこにいるか知らない?」
えっと…確か悪魔さんは…
「勉強してるって、聞きました…」
すると眉間に皺を寄せた。せっかく綺麗なのに勿体無い。
にしても色んな人がいるって本当だったんだな…本当この人女の子みたい。
「あいつ、あたしから逃げたわね」
話し方まで女の子かぁ。
「まぁいいわ、教えてくれてありがとう、私六階の華よ、よろしくね…まぁ、関わることはないでしょうねど」
そう言うと華さんはエレベーターから降りて階段の方へ向かった。
何だったんだろう…。
僕は丁度下に行くエレベーターに乗り、公園に行くことにした。
まだ入ったばっかりなのに、こんなに一気に知らされると疲れる…覚えなきゃいけないこともたくさんありそうだ…。
公園行ったら、部屋に戻ってゆっくりしよう。
僕はそう決めた。
公園は凄く広かった。普通の公園の十倍くらい。
遊具もたくさんあった。滑り台は普通のと長いのがあるし、砂場も広い。コーヒーカップもジャングルジムも、パンダの乗り物も、ブランコもシーソーも…とにかく何でもあるし一つ一つが大きかった。
公園には僕より小さい子が多かった。でも、片目を眼帯で隠してる子や、身体中に包帯を巻いている子など、ここが普通の施設ではないことがハッキリわかる…。
すると、中に僕より大きい少年が子供と一緒に遊んでいた。
僕を見つけると、遊んでた子供たちに断って、僕の方へ来た。
「や!見ない子だね!公園は初めて?」
爽やかな感じの、普通の少年だった。
「あ…はい。あの、今日から入ったんです、無知です」
「あー、はいはい!先生が言ってた子だね。にしても無知って名前は酷いなぁ、信也のやつ適当につけたんでしょ?」
そういって笑っていた。
「あ、信也さんのことはご存知なんですね」
「そりゃそうさ、この施設の中の一番のお喋り野郎だよ。もうあいつが入って三年になるかな?」
「そうなんですか…」
三年かぁ、長いんだなぁ。歳で言ったら中学生くらいだし、…有名だなぁ。
そう思ったら少し面白かった。
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