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(あんたなんか産まなきゃよかったのに!)
あぁ、また余計な夢を見ていた。
悪魔は仮眠室でドロッとした感覚に襲われていた。
昔の話だ。くだらなくて情けない。
産まれる前から罵声を浴びせられてた。
こんな子要らない、下ろしてください!
でも彼女と彼氏の両親は酷く怒った。折角の命なんだから大事にしろと。
分娩室でわざわざ痛い思いをし、産まれた赤ん坊に興味なんかもたなかった。
産まれて一ヶ月は母親が見ていてくれたけど、私は酷く苛々していた。
名前は最初は朝日だった。
けれど母親から渡され、本当に愛せなかった。
改名で、私からの存在に一番当たっている[悪魔]と名付けた。
市役所の人はやめろと止めたが、彼女は本気だった。
ご飯を三人で食べたくない。
この子は私たちを不幸にする。
だから別の部屋でミルクのときもご飯のときも離して過ごしていた。
そう
彼がまるで存在していなかったように。
小学校も通わせてもらえなかった、勿論保育園や幼稚園も。
そして12歳のとき、母親に刺された。
父親が出ていったのを、俺のせいだと思っていたみたいだ。
(あんたが死ねば孝臣さんは!この悪魔、悪魔!!今すぐ死ね!)
俺が悪かったのか?
俺のせい?
ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな
母親なのにたった一人の母親なのに俺は誰にも必要とされていないのか…
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