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黙ってないといけないのかと思って…。
しかも名前がないのが今更地味にショックだったし…。
「んー、そうだなぁ…あ!お前何も知らないし、なんか天然そうだから、無知!無知にしよう!」
無知…、なんか名前が出来たことで少し嬉しくなった。
「おい信也、そんなんでいいのか?人生に関わるんだぜ?」
「うるせーな秋、お前の名前も俺が決めたんじゃねーか!」
「好きで名乗ってるわけじゃねーよ!アホ!」
少し喧嘩のように口論を始めた二人を、僕はぼーっと見ていた。
すると、
「あ…、無知ちゃん、僕雫、同じ部屋だし仲良くしてね」
包帯の子が言ってくれた。
そして今更頭が働いた。
虐待を保護する場所…少年BOX…じゃあ彼らも僕と同じ虐待を受けていたのか…
包帯の子は、多分目が見えない。
秋と名のった少年も、よくよく見ると異常に背が低い、僕より子供だと思っていたが、話し方なんかで僕より年上だと思った。
そして信也…秋とペラペラと明るく話している。彼はどういう虐待をうけたんだろう…気になる。
「あの…」
僕が喋り返すと、二人は大人しくなった。
少しの沈黙がちょっとか怖かった。
「…自由ってことは…何でも出来るの?」
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