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少しずつ、
一歩ずつ
僕に近づいてくる。
身体がこわばり息が上がる。
ようくんは僕の目の前で
立ち止まると
その場にしゃがみこんだ。
「まだ痛むかい?」
ようくんの手が
僕の頬を撫でる。
恐怖で声が出ない。
「ごめんね…
こんなに傷付けてしまって…」
ようくんの口から出てきた言葉に
僕は自然と涙がこぼれた。
それを優しく拭き取る
ようくんの手。
あの時の
ようくんが嘘のように
感じた。
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