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僕が今まで何回
学校を休みたいと思ったことだろう
でもやっとこの日をむかえることができた。
一ノ瀬 蛍
名前を呼ばれて
壇上へあがる。
校長先生からもらった1枚の紙が
僕の生きていた証。
やっと手に入れたんだ。
嬉しくて自然と顔が緩む。
壇上から降りて
決められた通路を歩いて自分の席についた時
講堂に彼の名前が響き渡った。
”如月 陽一”
思わず壇上へ目を向ける。
背が高くて
整った顔のその彼は
僕の中学3年間唯一の友達。
彼が笑うとクラス全体が
暖かい雰囲気につつまれる。
人気者。
そんな彼がなぜ僕と
友達になってくれたのかは
まだ
考えてもわからない。
きっと僕は運がよかった。
壇上にいるようくんは
いつもより輝いてみえた。
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