中学最後の思い出

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僕も彼の笑みに答えるかのように 笑った。 だんだん近づいてくるようくん。 僕は立ち上がってようくんのそばに駆け寄った。 「ようくん、卒業おめで…」 彼の手にはナイフが握られていた。 「よう…くん…?」 笑っている。 今まで見たことない笑い方。 怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。 逃げないと殺される。 震える足で 精一杯地面をけって 逃げようとした。 ズシャァァァアア 足に力が入らなくて 派手に地面にこけてしまった。 後ろを振り返りかえるとようくんが いた。 「いやだっ……くるなっ!…」 力の限り足をばたつかせた。 「お願いだからぁ…うっ…こっ…ないで…」 涙が滲み出る。 ようくんから笑顔が消えた。 「やっと好きにできる。 蛍、愛してるよ。」 えっ?? いまさっきなんて言ったの? 身体が固まって動くことができない。 上から押さえつけられて 何も抵抗できない。 「かわいい俺の蛍」 ようくんの冷たい手がぼくの頬を撫でる。 「やっ…だっ」 涙が止まらない。 「どうし…てっ… うぅ……ょうくんっ……」 頬にあった手 僕の首を掴んだ。 「…ッッ…がぁ…ッッ」 息ができない 苦しい 怖い怖い怖い怖い怖い怖い 殺される
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