中学最後の思い出

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手の力が緩んだ。 それと同時に僕はひどく咳き込んだ。 「ガハッ…ゴホッ…ハァ…ァ」 霞む意識の中で 見えたのはこの様子を 楽しそうに見るようくんの姿。 「なん、…でっ…ケホっ…」 ようくん…いやだよ… 友達でしょ?… 「蛍は俺のゆうこと聞かないと死んじゃうよ?」 ナイフで僕のシャツを切っていく。 酸欠で力が入らない僕はただただ 泣くことしかできなかった。 僕の首筋から鎖骨 胸へと冷たい手が落ちてゆく。 「やっ…だ…ぁっ」 怖い。 ようくんが怖い。 「もっと泣いてよ。 俺のかわいいかわいい蛍ちゃん? ずっとこうして君に触れたかった。 ずっと我慢してたんだよ?? フフッ…これからはずっと 俺のものだ………」 もう僕の知ってるようくんではなかった。 すっと、僕の開いた口の中に 何か入って来た。 「ふぁ……んっ…ぅぁ……」 キスされてる。 僕の口の中を這い回る。 気持ち悪い。 ようくんの胸をどんどんと叩いた。 でも敵わない。 いろんなところを冷たい手が這い回る。 いろんなところを生暖かい下が這い回る。 気持ち悪い。 気持ち悪い。 快楽なんて感じない。 苦しい 怖い 早く終わってくれ。 早く満足してくれ。 それだけを思いながら 涙を流して耐えた。 僕は中学校三年間で唯一の友達に 犯された。
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