9人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃ、金曜にね。」
そう言うと早々に由良が席を立つ。
「は? 何言ってんだよ、お前まだメシ食ってな…ってもう無ぇ!?」
「斎藤こそ何言ってんの? さっき食べてただろ?」
「いやいやいやいや! ずっと話してただろ! いつ食べたんだよ」
「いつって……話の合間だよ」
「早過ぎだろっ!」
「斎藤は大袈裟なんだって」
いや、俺が大袈裟なんじゃなくお前の食べるスピードが異様に早いだけだろ…。
俺は相変わらずニコニコしている由良を見てこれ以上のツッコミは体力と時間の無駄だと悟った。
そもそも由良の食べるスピードとかどうでもいいしな……。
「……も、いいや。んじゃあ金曜にな…」
「おー、それじゃ」
ひらひらと手を振ると、用は済んだとばかりに、さっさと背を向けて去って行く。
しっかし…何で由良は大して仲良くもねぇ俺を”趣味”に付き合わせたがるのかねぇ?
もしかしてあいつ友達少ないのか?
だとしても俺と行って楽しいのか?
ほんっと、わけわかんねぇ奴だな…。
ていうか、何気に俺は危ない所に連れて行かれるってサラッと言われたんだけど大丈夫だよな?
流石に命の危険はないと思うけど、俺の命が一万円(しかも返済予定)じゃ安過ぎるだろ…。
マジで死んだら浮かばれなさ過ぎる。
いざという時は由良を盾にして逃げよう、そうしよう。
悪く思うな由良。
危ない目にあったとしても、それは十中八九お前のせいだからな。
最初のコメントを投稿しよう!