第1章

2/6
前へ
/7ページ
次へ
俺は中学生の頃からこんな話を聞いていた。 『橙色太陽は禿げる』 当然、思春期真っ盛りの俺だったが嫌そうな顔をしながらも笑っていた。 現実味がなかったから。 しかし、俺は甘いようですんすんとそんな他愛ない『禿げる』理由を聞かされて頷いてたから高校生の時には信じこんでいた。 『橙色太陽のお爺ちゃんはね、20前半で禿げたのよ。若い頃は髪がふさふさしてて格好良かったのよ』 遠くに住んでるお爺ちゃんの娘の母は当時を思い出して耽っている。 俺も禿げるのか、ほら遺伝って祖父母からが一番強いらしいし、そうして俺は育っていく。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加