第1章

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禿げを味わうまでの間、俺は禿げを眺めては笑おう。そして、満たされようと思うんだ。 俺の禿げはまだまだ先だ。 今のところ風呂上がりの頭皮の見え具合がリアルすぎてたまらない。 元々、薄毛だしな。 こんなもんだろう。 他人の禿げを見て癒されるのは「安堵」を得たいから。 「安心」を手に入れるのは諦めているけど出来ることなら末長いお付き合いをさせてもらいたい。 禿げを眺めて、うっとりとしてしまうのは可笑しいが、これがいつまでも続くような気がする。 女性はあまり禿げないというから俺の場合は、恋愛対象かどうとかは分からないのだけれど、似たものな意味で含まれない。 だから、禿げを見てまだまだ大丈夫と安堵したい俺は『禿げる』男性が好みと言うことになるのだろう。 ……。
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