第1章

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俺は人通りの多い交差点を見下ろせる飲食店の窓際に居座っている。 高校生の時はない。 秘密の時間。 そこで、俺は一人密かな茶会を味わっている。 「ああ・・・あそこにも、あれもそうだ」 禿げを眺めて、見下ろして、食を喉に通しながら、目を凝らす。 そして、俺が禿げたとき俺と同じようなヤツが現れるかもと思い、自分の禿げを眺めてくれる事を想像し濡らした。 いつか俺は軽蔑の対象になるが 今はこの時を謳歌するのだ。 禿げた先には輝かしい希望があるのだと気付いて。 俺は今日も禿げを眺めて、頬を染める。 ああ・・・愛でたいな。 撫でたい。 見られたい。 俺は言いたい。 禿げても希望はあるんだよって。 「おっ、女の人で禿げてる人めずらしっ!」 「あ、あの人です。角の席に座ってるスキンヘッドのおじさんが禿げを眺めてうっとりしてて気持ち悪いんです!」 「よし、お会計!」 橙色太陽の目的は果たされた。 ~END~
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