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いい加減痺れを切らし頬を膨らませながら次の生徒を当てたクリスカ先生だったが、当てられて立ち上がった生徒は他の生徒とは違い、この状況でニコリともしていない無表情をつらぬき通す少女だった。
「レイゼ・シルファー」
たった一言、名前だけを言った後すぐに座り直す彼女に、先程までの明るい空気を叩き壊すだけの存在力があった。
「何あの子?」
「感じ悪いな」
「ずいぶんツンデレなのねレイちゃんは、可愛いな~」
若干一名勘違いをしている人もいるが、クラスからの彼女の第一印象は最悪なものだった。
「次はキミね」
あの後も次々と自己紹介は終わっていき、ついに俺の順番になる。
「立山 甲斐です、夢は……伝説の剣を越える武器を作り上げることです!! よろしくお願いします」
緊張はしたが何とか自分の番をこなし、席に座りなおした。
「はい皆拍手~、それでは……まだ自己紹介が皆終わってないんだけど、今日はココまで。残りの人は各自で聞いて下さい! 今後通常の授業はこの教室でやりますが、刀工と鍛冶の授業は担当の先生と教室も変わるから、詳しい説明は明日その先生から聞いてください。それでは解散」
かなり無責任な奴だな……。
最後まで入学したての緊張感など無く、若干担任に問題はあったが、基本的に楽しく一日目を終え、明日から本格的に剣作りが出来る、そんな期待を膨らませて俺は寮へと帰宅していくのだった。
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