再会

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「良かったら、お茶でもどうですか?これもご縁かもしれないですし。近くに行きつけがあるんです。」 これが異性からであれば、きっぱり断れるが、同性であれば警戒心はかなりひくい。 気分転換にもなればと思い、すたすたと彼女の後を歩いた。 行きつけのお店と言うのは、本当に近くで、レトロな喫茶店だった。 おすすめという珈琲を頼み、話題はやはり仕事の事に。 「いい仕事、ありましたか?」 「それが、よく分からなくて。何をずっと仕事として続けていいのか。あなたは、あ、名前まだでしたね。」 そこでまだ自己紹介がまだだった事に気付き、慌てて名前を名乗ると、彼女は武邦薫とこたえた。 「薫さんは、何をされてるんですか?」 「私は、実はまだ学生で。今年、大学卒業なんです。あと、さん付けはいいですよ。私、年下ですし。」 妹がいたら、こんな感じだろうか。 大学生なのに、落ち着いた雰囲気の薫に感心しながら、雑談を楽しんでいた。 が、少し長くなってしまったのか、いつのまにか夕方になっていた。 暗くなったな、と表通りを見ると、携帯を片手にいそいそと帰っている椎名の姿をみた。 あっ!と、思うと、こちらに気づいたのか、椎名と目が合い、手を振りながら近寄ってきた。 「お知り合いですか?」 「うん。ルームシェアしてる子でね。」 「へー。」 観察するように椎名を見ると、お店に入ってきた。 「お疲れ様。仕事終わったの?」 「ええ。そちらは?」 「えーと、こちらは、最近知り合いになった、武邦薫さん。薫さん、こちらはさっき話した、ルームシェアしてる椎名美琴さん。」 二人とも、説明しにくい!! と、思いながら紹介を済ますと、何故かうすら寒い雰囲気が漂った。
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