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美琴は自分の心臓が病にでもおかされたかと思うほど、鼓動が大きく感じた。
たまたま、自分のパソコンの調子が悪く、恵のパソコンを借りたとき、見つけてしまったのだ。
勝手に見ては駄目だと思ったが、「練習」と書かれたファイルが気になり、少しだけと開いてみたら、
それは、エッチな動画が大量に保存されていたのだ。
半分はアニメアダルト、半分は人のアダルト。どちらもレズビアン用。日本人、金髪アメリカ人、ロシア人ジャンルは様々だった。
なにより、大体モザイクがかかっているはずの部分がすべて無修正だったのだ。
(私じゃ、物足りないって、ことなの?)
美琴は現実に整理がつかず、泣きそうになった。
毎日とは言わないが、夜の生活は満たされているものだと思っていたのは、自分だけだったのか。
これをみて、恵は何を思っているのか。
そう考えれば考えるほど、頭の中で、浮気、捨てられる、つまらない人間。
そんな言葉が頭を駆け巡る。
「ただいまー。」
タイミング悪く、恵が帰ってきた。
体は勝手に見てしまった罪悪感でびくんと怯えたが、見なかった事には出来なかった。
「あれ?どうしたの?」
いつもの変わらない恵。
だが、美琴の変化には気づき、そっと肩に手をおいた。
そして、パソコンの画面をみて、固まる。
「あ、これ、、、。見ちゃったか。」
「なんで、、?なんでこんなの見てるの?」
責めたくなかった。
これで終わってしまう恐怖で涙が我慢できず、美琴の涙が服に落ちた。
「美琴?何か、勘違いしてない?」
「生理的に仕方ない、とでも?」
なんで、こんな言い方しかできないのか。もっとか弱く出来たらいいのに。
美琴は心と体がついていかず、保つためにも皮肉を込めた強がりしか出来なかった。
「違うよ。美琴、こっちみて。」
泣き顔を見られたくなかったが、顔を両手で挟まれ、無理矢理目線を会わせさせられた。
すると、耳が真っ赤な恵が真剣な表情で、こちらを見つめていた。
何故、ここで恵が恥ずかしがるのか。
そのありえない状況に、美琴の涙が一瞬とまった。
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