139人が本棚に入れています
本棚に追加
「おかえりー、美琴。」
いそいそと帰ってきた恋人を玄関で迎え入れ、そのままお風呂へ誘導していく。
いつもは美琴が脱がしたがるが、今日は反対。
焦らすようにキスをしながら脱がし、シャワーをかける。
「軽くシャワー浴びて、まずはお湯に浸かろうね。」
マッサージをするように全身に手を這わし、指先に口付ける。
「これは、朝の返事?」
「違うよー。美琴を愛してるって表現。」
「・・もっと欲しい・・。」
「うん、もっとあげる。」
いつもよりも倍以上お風呂のタイムを堪能し、お風呂上がりにコラーゲンドリンクを渡した。
その間、ドライヤーで髪を乾かす。
「ねぇ美琴、今幸せ?」
「うん、凄く幸せ。」
髪を乾かされるのが好きな美琴はうっとりとした表情。
その顔が可愛くて柔らかくなった唇をはむっと咥える。
「私もだよ。だから今の仕事は辞めない。」
「・・・・・。」
「実は店長から正社員にならないかって言われててね。受けようと思ってる。」
悲しそうに顔を下にする美琴の顔を上げた。
「これで、美琴の事をもっと胸をはって彼女だって言える。美琴といれる時間がずっと幸せで、対等だと思えるようにさせて。ね。」
「ずっと、引け目に思ってたの?」
「私の気持ちの問題。もし美琴が車椅子になっても、目が見えなくなっても、生活出来る自信が欲しかったの。」
なでなで、と頬を撫で、美琴のこたえを待った。
これが私のこたえだから。
最初のコメントを投稿しよう!