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  「逃げたっていいさ。これからはその度、僕が追い掛けて捕まえる」 「……」 「この町には伽耶を想ってる人が沢山いる。忘れないで」 「――……でも……」 「ん?」 「でも、そんなの、わからないじゃない……!あなたはそう思っていたとしても、あなたじゃない人はそんな事思ってないかもしれないじゃない!どうして、会ったばかりの何も知らないあなたがそんな事を言うの!?」 三週間で、伽耶の世界は目まぐるしく変わってしまった。 両親という絶対の存在を亡くし、集まるのは彼女ではなく彼女の両親の遺産しか目に入っていない大人達。 張りつめた心の琴線は、簡単に人を赦さない。 「……そっか。そうだよね」 仮面の男は、初めてこれまでと違う笑みを見せた。  
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