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振り返ったさくちゃんは弱々しい笑みを浮かべてみせた。
「帰ったらまた勉強見てあげるから大丈夫……」
それは私に言ったのかさくちゃん自身に言ったのかわからないほどの声で、さくちゃんを見上げた私の頭をワシャっと大きな手が包み込んだ。
「部活行ってくるから待ってて……」
そういい残すとさくちゃんは保健室を後にした。
矢田先生はさくちゃんが出て行くのを確認するといすに座ったままこちらに振り返り満面の笑顔を向けた。
「うふっ、青春っていいわね~♪」
「……な、何言ってるんですか?!
からかわないで下さい!!」
私は先生の意味ありげな笑みになぜか赤面し勢いよく布団に潜り込んだ。
微かに窓の外から響く部活動の声と、下校する生徒たちの声が遠くに聞こえていた。
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