- 21 -  朔夜side

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スポーツ大会の一件のあとしばらくギクシャクとした僕とすずだったが、最近はすっかり元の鞘に収まったと言った感じに落ち着いた。 いや、もしかしたら見かけだけかも知れない……… 椎名さんとのことで謝るつもりの僕にすずは確かに言ったんだ。 『ごめん』って……… そして『 私さくちゃんの事は好きなんだよ。でもね 』と。 『でもね』の後を聞くことが怖くって慌てて口を塞いだ。 咄嗟に唇を重ね塞いだすずの瞳からは涙がポロリと零れ落ちた。 コツリと額をぶつけ合い囁くのが精一杯だった。 「何も言わないで……僕だけを見ていて」と .
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