- 21 -  朔夜side

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今年の夏は勉強もさることながら、大学からの強化合宿に招待されていた。 そんな中空いた時間にすずと会えない事を考え小さな吐息を漏らした。 「あ~あ、すずのいない時間に気晴らしにバイトでもしようかな」 「さくちゃんがバイト~?! なんか意外~あははっ」 「おっ、バカにしたな!!僕にかかればバイトなんて」 「え~ あっ、でも接客なんかいいんじゃない?さくちゃんのお得意スマイルでお客さん増えそ~」 「ん~それもアリかな? ………そういえば去年卒業した有川先輩がカフェでバイトしてるんだって。 行ってみようかな……」 「うんうん。愛と一緒に見に行く!」 こんなたわいもない会話でさえ楽しかった。 不安だった僕の気持ちは夏休みを前に椎名さんに声をかけられたことで強くなったのかも知れない。 .
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