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私は床に座り込んだまま朝陽の一連の動きを見上げた。
まるで光のレースを纏った夢を見ているように、ボーとただ見上げるだけの私は無意識のうちにぽつりと呟いていた
「………おにぃ…ちゃん……」
朝陽は瞳を大きく見開いたあとすぐに哀しげな瞳で私を見つめた
「すず!帰ろう」
突如背後から声がかけられ優しく抱え上げられるように立ち上がらせる
そこには無表情のさくちゃん
私の荷物をまとめて有無も言わさずまだボーとする私の手を取り歩き出した
さくちゃんは私と目を合わせず行く手を見据えながら歩く
振り返ると朝陽がさっきと同じ場所で哀しげな瞳を揺らしながらも微笑んでいた
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