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上靴を履き替えながらさっきみたいあの絵を思い出した。   私の想い出の風景そのもの…… 「すず……」 気がつくと下駄箱の前で立ち尽くしたままの私をさくちゃんが優しく後ろから抱きしめてきた。 私は体の前でクロスされたさくちゃんの腕にそっと自分の手を重ね瞳を閉じた。 --- これ以上さくちゃんを裏切るわけにはいかないって決めたじゃない 心の中でそう呟くと、ゆっくりと口の端を持ち上げ笑顔を作った 「さくちゃん、帰ろっ」 「あぁ」 振り返りニッコリと笑顔を作る私にさくちゃんも笑顔で応えてくれた .
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