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僕は美術室の前を通り過ぎ準備室のドアの前に立った
そして祈るような思いでノックする
すぐに返事のないことにさらに不安にかられもう一度ノックした。
「はいはい、誰?」と邪魔くさそうな久我原の声が聞こえてきた
「すずいますか?」
僕の問う声と同時にカチャリと鍵の開く音が聞こえてきた
どうして鍵がかかっているのかと不信感を抱きながら、のんびりと開くドアに苛立ちを覚えた瞬間、部屋の中から大きな物音が響き渡った
中を覗き込むとそこには座り込むすずの後姿
その前には久我原が描いたのか大きなキャンバスの油絵が倒れていた
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