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靴を履き替えるためすずを下駄箱へ送り出し僕も履き替えたが、いつまでたってもすずが現れない
出入り口から覗くとすずは靴を履き替えてはいるものの、その場で何か想いに耽っていた
すずにとってあの絵は何を意味するのか……
すずは今何を考えているんだ
僕はすずに近づくと後ろからそっと抱きしめた
「すず……」
………僕はここにいるんだよ
すずの頭に頬を寄せ祈った
すずは僕の腕に手をかけると
「さくちゃん、帰ろっ」
と明るい声を響かせた
振り返ったすずは笑顔を作っていたが、その瞳には寂しげに揺れていた
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