- 26 -  朝陽side

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「青春だなぁ……」 汗をかきながらも部活に打ち込む生徒たちを見てぽつりと呟いた 両手の親指と人差し指でフレームを作り、窓の外の景色を見渡してみた 空の蒼、白い雲、木々の緑……… 汗する生徒、木陰で涼む生徒、おしゃべりに花を咲かせる生徒……… 校門へと続く桜並木を辿り指で作られたフレームをそのままに瞳を閉じた そこに浮かぶのはあの子の笑顔 そして幼い頃『おにいちゃん』と慕ってくれた女の子の笑顔だった 「え~うそ~」 突然窓の下の木陰で休憩していた女の子の声が響きわたった .
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