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突然の雨に集まった人達が一斉に移動し始めあたりは騒然とし始める
雨足はどんどん強くなり前が全く見えなくなってきた
「すず!」
さっきまで目の前にいたであろうすずの名を叫んだが、僕の耳にもその声は届かないほど雨音と人々の声が周りを包んでいた
僕は気が気でなくすずを捜そうと一歩踏み出した
が、右腕にしっかりとしがみつく月乃さんの重みに立ち止まった
普段ふるゆわのキレイな髪が顔に張り付き僕の腕には微かに伝わる月乃さんの震えが感じ取れた
僕はそっと周りを見渡したが、僕の腕に回された月乃さんの手にそっと自分の手を重ねしっかりと握り返した
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