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「あっれ~?さくやじゃん!何やってんの?」
聞き慣れた声が遠くから近づいてきた
それは恵斗で愛が慌てて恵斗を止めている様子だった
「よぉ」とだけ手を挙げる僕
二人の後ろには髪をアップにして毛先をクルクルとセットしたすずが、何もいわずこちらを見ていた
言ったことはなかったが、すずの浴衣姿を見るのが毎年の楽しみで、今年もまさかみれると思ってなかった僕はしばらく魅入ってしまった
そんな未練たらたらな自分に思わず失笑してしまう
何も知らない恵斗を懸命に止める愛が目に入った
「……愛わりぃな。もう聞いてるよな…」
僕の言葉に愛はコクリと複雑な顔で頷いた
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