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長い長い夢を見た
キレンゲショウマの群集をゆったりと眺めながら空を見上げた
蒼い空が広がり白い雲が気持ちよさそうに浮かんでいる
優しい風が頬をなで幸せな気持ちで満ち足りている
あぁ…このままずっとこうしていたい
どこか遠くで声が聞こえる
低くて響く声は………お父さんの声
「キミがいてくれて助かった。ありがとう」
「いえ、僕もたまたま通りかかっただけで……」
お父さんと話している声も聞き慣れた声
私は声の主探してゆっくりと開けた瞳を細めたまま少し顔を傾けた
口元につけられたらマスクが邪魔だと感じる
あぁ私は今病院にいるんだ……
まだ朦朧とする頭でそれだけは理解できた
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