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次に目が覚めたときには枕元にお父さんとお母さんがいるだけだった
お母さんは目を真っ赤にはらし私の手を握っていた
目を覚ましたことに気がつくとその瞳から大粒の涙がポロポロと落ちた
「お母さん……ごめんなさい……」
「バカねぇ」
お母さんはそう言いながら嬉しそうに微笑むと指で涙をすくい取った
「やぁねぇお母さんったら、涙もろくなっちゃって……顔を洗ってくるわ」
とその場をあとにした
お父さんはお母さんの後ろ姿を見送ると私に向き直りそっと頭を撫でてくれた
小さい頃こうして撫でてもらうことが大好きで私は照れ笑いを浮かべた
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