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「良かった無事で……」
お父さんはポツリと呟いた
そして私の手に何かを乗せそのままその手を握りしめた
「お父さん?」
「………すずみ………悪かったな……」
「?……」
お父さんは微笑んでいるのにどこか哀しげで、その表情の意味するものが何なのかその時はまだ気がつかなかった
そっと離された手のひらを開くとあめ玉が一つ置かれていた
「お父さん、これ……」
驚きお父さんの顔を見上げるとお父さんは大きくコクリと頷いた
「あの時ももらったな」
今度は私が頷き、そのあめ玉を握りしめ微笑んだ
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