- 30 -  朔夜side

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「おーい、さくや~!こっちこっち」 大勢の客の合間から手を挙げ立ち上がる恵斗の姿が見え安心する きっとすずもそこにいるのだと勝手に思い込みホッと胸をなで下ろした 人混みをかき分け恵斗に笑顔で手を挙げ近づいた 運良く座れた座席にはさっき一緒にいたメンバーが揃っている ぐるりと見回し僕は眉間にしわを寄せた 「すずは……すずは一緒じゃないのか?」 「え………伊川先輩とじゃ……」 愛と恵斗の顔も一瞬にして曇る 愛はさっきから何度も電話をしていたが繋がらなかったらしい 愛はガクガクとその手を震わせた 「どうしよう………」 .
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