- 30 -  朔夜side

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おじさんの話を聞きながら、以前も同じようにすずを抱えて走った久我原の姿が頭をよぎった   あの時も僕はすずのピンチに駆けつけることができなかった   そして、久我原が……… 僕はトボトボと歩き出した 「お、おい兄ちゃん………変なヤツだな…」 おじさんは話の途中でうなだれ歩き出した僕に声をかけたが振り返ることはなかった しばらくぼんやりと歩いていると目の前を救急車が横切った ハッとして見上げるとそこは総合病院で、きっと久我原がすずを運び込んだ病院に違いなかった .
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